朝8時、松山駅。
ビジネスマンや身軽な服装の旅人が行き来し、構内放送が列車の到着を伝えます。
集合は、愛媛名物「じゃこ天うどん」のお出汁が誘う改札前。温かそうな湯気にうっかり吸い込まれそうだけれど、今日はガマン。
なぜなら「伊予灘ものがたり 大洲編」で、車窓を眺めながらゆったり朝食をいただけるからなのです...!

伊予灘ものがたり、いよいよ入線。
アンパンマン、すごくこっち見てますね。楽しい旅へいざなうがごとくです。

改札を抜けると...おお! アテンダントの方がお迎えしてくれています。
2号車「⻩金の章」はきれいな山吹色です。太陽や柑橘をイメージしているそう。

席に着くと朝食のメニュー表が。ヨーヨーキッチン!さん監修です。
契約農園で育った新鮮な生野菜サラダ...なんて美容に良さそうなのでしょう。
朝いちばんにいただくから、なおのこと吸収しそうです。じゃこ天うどんをガマンしてよかった...

お箸にも「伊予灘ものがたり」の焼き印が。お箸置きも可愛いです。


いよいよ出発!

発車時刻を告げる車内アナウンスの声がやさしい...日頃満員電車で通勤されている都会の方が聞いたら、泣いてしまうのではないかと思うくらいのやさしさです。
しばしさようなら、松山...!

感動してばかりいないで、レポートっぽいこともせねば!ということで、車内をご覧ください。

ゆったりとした空間で、つきあたりにはカウンターがありますね。
伊予灘ものがたりは、通路をはさんで海側の席・山側の席に分かれています。
海側は、おひとり様にもぴったりなカウンター席と4名用のボックスシート。
山側は2名用の対面シート。今回私が座ったのは、山側の対面シートです。せっかく海を見たいのに山側なんて...とがっかりしなくても大丈夫。景色が楽しめるよう、山側の席は1段高くなっていて、椅子もわずかに海側を向いています。山側のテーブルが扇型になっているのは、この為なんです。
1号車「茜の章」には、2号車にはない和座椅子の畳席(4名用・2名用)もあるそうです。

朝食が運ばれてきました...!

サラダはパリッと新鮮。里芋はねっとりとしていて、柚子味噌の風味がよく合います。素材の味を大切にした、朝食にふさわしい優しい味付け。朝はご飯派という方も、これなら喜ばれるのではないかと思います。
コーヒーカップも素敵じゃないですか?愛媛の伝統工芸「砥部焼」のカップです。いろいろなデザインのカップがあるそうなので、どんなカップで提供されるかも楽しみのひとつ。
食事は予約制ですが、コーヒーやジュース、ケーキのほか、地ビールや地酒などを当日注文することもできます。

あっ、海が見えた!
実は「この車窓から眺める海と朝のコーヒー」というシチュエーションも、ひそかに楽しみにしていたことのひとつなのです。
きれいだなあ、瀬戸内海の穏やかな波ってやさしいなあ...。
日本海側育ちの私にとって「冬の海と旅」というとなんだか心がぞわぞわするのですが、ぞわぞわ皆無です。こんなにやさしい冬の海もあるんですね。

列車は伊予上灘駅に停車。副駅⻑さんがご挨拶してくれるとの車内アナウンス...スマホの動画機能をオンにして待っていると...

はい!!猫副駅⻑のカンナちゃんです!!
抱っこされて、1号車・2号車の山側をご挨拶してくれました。
伊予上灘駅には、犬駅⻑・リセさんと、もう1匹の猫副駅⻑・トラさんがいらっしゃるそう。皆さん朝はお忙しいので、素早いご挨拶です。撮影は、写真より動画のほうがおすすめです。

列車は、次の停車駅「下灘駅」を目指します。